You'll Always Find Me In The Kitchen At Parties

見るのをながめることはできる。それに対して、聞くのを聞くことはできない。

ジェームズ・アボット・マクニール

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オルセー美術館展 印象派の誕生 -描くことの自由-/2014年7月9日(水)~10月20日(月)/国立新美術館(東京・六本木)
当然のように面白い展示だったが、私としては、ホイッスラーの傑作1枚を見ることができたのが最大の収穫。ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー「灰色と黒のアレンジメント第1番」。椅子に座った人物が、ほぼ等身大で描かれているくらいのサイズ。画家が病身の母親を描いた、と説明が添えられているのだが、母と息子との親密さを全然感じさせない、タイトルが示す通りのモノトーンな画面。カーテンに描かれた和風な装飾。真横からの構図。前方すなわち画面の左側をまっすぐに見つめる母親は別段母親らしくもなく、かといって色彩のアレンジメントとして解体されてしまうでもなく、しかしこの存在するという感じ、は何なのか。震えた。


そして今年は、京都→横浜と巡回するホイッスラー展があるのだ。大変に楽しみ。
ホイッスラー展 ジャポニスムの巨匠、ついに日本へ
ジャポニズムだからすごいってわけではないのだよ。